白内障の治療

白内障の治療について

白内障の治療について手術のスケジュールがなかなか取れないケースや、軽度の段階の場合、白内障の進行を遅らせる薬物療法を行います。

薬物療法といっても、一度濁ってしまった水晶体を元に戻すことは不可能です。症状が進行した白内障の場合は視力回復のために手術が必要ですが、日常生活に不自由がなければ経過観察をしながら手術のタイミングを検討していきます。

加齢性白内障は進行性です。軽度の段階であれば、タンパク質の変性によって水晶体が濁る減少を薬物療法で阻害し、進行を遅らせることができます。

ただし、進行のスピードは遅くなったとしても、進行していくことには変わりありません。
他の疾患を併発する可能性もありますので、定期的な経過観察は重要になってきます。

点眼薬と内服薬

点眼薬と内服薬加齢性白内障は、いずれ手術が必要になりますが、初期であれば点眼薬や内服薬を用いた治療で進行を遅くし、手術時期を先に延ばすことが可能です。完治や進行を止めるものではなく、あくまでも進行のスピードを遅くするための治療です。

点眼薬

抗酸化作用やタンパク質不溶化抑制作用がある成分により、水晶体の濁りを抑制して進行スピードを遅くします。

初期の加齢白内障治療によく使われる点眼薬
  • ピノレキシン カタリン点眼液
  • カリーユニ点眼用 カタリン点眼液の後発品
  • グルタチオン タチオン点眼用
主な副作用

カタリン:皮膚炎、結膜の充血、痒み、眼瞼炎、びらん性表層角膜炎、など
タチオン:痒み、刺激感、角膜の充血など

内服薬

内服薬は、タンパク質不溶化抑制作用によって水晶体の濁りを抑制することで白内障の進行を遅らせることが期待できます。なお、水晶体の濁りが発生している部位により、適した内服薬があります。

  • チオプロニン チオラ錠(初期加齢皮質白内障)
  • 唾液腺ホルモン パロチン錠10mg(初期加齢白内障)
主な副作用

チオラ錠:痒み、発疹、肝機能障害(AST、ALT、ALP上昇など)
パロチン錠:発疹、胃の不快感、嘔吐、下痢、発熱など

一般的に生理機能の低下が多く見られる高齢者の場合には、特に投与量を慎重に決めて処方する必要があります。

チオラ錠についての補足

主な副作用以外に、黄疸、間質性肺炎、ネフローゼ症候群、重症筋無力症、多発性筋炎などの重大な副作用が起こる報告もされています。
そのため、投与中は定期的に全身状態をしっかり確認し、肝・腎機能検査などで異常が認められた場合には、すぐに投与の中止と適切な処置が必要になります。

なお、チオラ錠は、加齢白内障だけでなく、慢性肝疾患、水銀中毒、シスチン尿症などにも処方される可能性があります。

手術

手術目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が濁ることで白内障は発症します。薬などで濁りをなくすことはできませんが、手術を受ければ視力を取り戻すことができます。

手術では、濁ってしまった水晶体を取り除き、長期間の安全性が確認されている人工の眼内レンズを挿入します。日本における白内障手術は手法が確立されており、毎年たくさんの方が視力を取り戻されています。当院で行っている白内障手術は所要時間が10分程度であり、痛みがほとんどなく、日帰りで受けることができます。

手術を受けるタイミング

白内障は進行性の病気です。放置しておくと進行します。そのため、手術を受けるのは、日常生活にちょっとした不便や不安を感じたタイミングがベストだと言えます。視力の低下は自覚症状として現れるのが遅く、思わぬ事故の原因などにもつながる可能性がありますので、早めにご相談ください。

最近は遠近両用の眼内レンズなども登場するなど、見え方の質にこだわったものが増えてきています。老眼の治療効果など、40代後半の方にとってもメリットが多い眼内レンズも出てきています。手術後の視力回復だけでなく、見え方の質についても詳しくご説明していますので、ご相談ください。

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